休日のんびりご近所散歩



◇連載第2回「ニューあわや」の巻◇

 不動産とかデベロッパー関係の方はお気を悪くされるかもしれませんが、「再開発」という言葉、私はあまり好きじゃありません。
 それまでの街のイメージをことごとく破壊し「リセット」してしまう例があまりにも多いからです。
 効率重視の名の下に高いビルを建て、似たようなテナントを誘致し、申し訳程度の緑地を設け、意味不明な横文字の名前をつけて一丁上がり…。それまで住んでいた人や細々と商売をやってきた人たちは立ち退き料を貰って他の街へ移り、週末には遠くの街から、見知らぬ人がお金を落としにやって来る…。
 あの高度成長の時代、貧相な町並みをなんとか近代化したい、誰もがそんな夢を持っていたのは確かです。でも、それは今のような無機質なビル街だったのでしょうか?
 「再開発」の対象にならない街、それは言い換えれば「時代に取り残された街」なのかもしれません。下町特有の、ゴチャゴチャして統一感の無い町並みはお世辞にも美しいとは言えませんが、そこには間違いなく土地の“匂い”があります。それは、戦後の復興の中で必死に生きてきたおじちゃん、おばちゃん達の血と汗と涙の匂い…。
 この下町に来て、混沌とした中に何か安らぎを憶えるのは、「昭和」という私たちに染みついた“ふるさと”の匂いが、平成の「再開発」の如き強力な“消臭剤”をもってしても、決して消し去ることができないからではないでしょうか。(毎月連載)

←北千住駅から徒歩5分、本町センター商店街にある『レストラン ニューあわや』は千葉県安房郡出身の初代が昭和13年に開店した和菓子店『安房家』が、昭和38年に洋食屋さんと兼業、現在に至る。お勧めは「シャリピアンステーキ」。手作りドレッシングはお土産に。
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